宮本卯之助商店

山車の復元プロジェクト

赤坂氷川神社様の歴史ある山車復元作業

2011年から復元に携わっている赤坂氷川神社様の山車。これは江戸型といわれる古いもので、2011年は神武天皇を乗せた3号山車の復元、一昨年は日本武尊を乗せ替えています。そして2013年に入って舟形に恵比寿様が鎮座する山車「恵比寿」の、舟形の部分を復元しました。
本来ならば、恵比寿様が座っている岩の周囲には魚介類の装飾がありましたが、傷みが激しく使える状態ではありませんでした。
そこで弊社の製造部の社員を中心に活動している「放課後クラブ」で恵比寿様の周囲を飾る装飾を製作して寄贈し、お役に立てていただこうと考えました。

仕事以外の“遊び”の中から発見できるものがある

「放課後クラブ」とは、就業時間終了後に有志が集まって、仕事やものづくりに関連することを研究したり、相談し合ったりするクラブ活動のようなものです。「放課後クラブ」の活動の範囲であれば、会社の機材などを自由に使っていいことになっています。そうした“遊び”の中から気付き、アイデアが生まれてくることが多々あります。
山車本体の復元を担当していない社員たちにも声を掛けると、多くの社員が参加したいと手を上げてくれました。そこで魚介類であれば何でもOKということで、思い思いに好きな魚を製作してもらいました。伊勢海老やフグ、カニや亀までいて何ともにぎやかな装飾が完成しました。それぞれに選んだモチーフを見ると個性が出ていて、おもしろいのです。

東京の街中を山車が練り歩く日を夢見て

山車本体の復元には直接携わっていない職人も参加したことで、山車に関心が増したり、歴史ある山車に自分たちが作った装飾が乗せられ、曳いてもらえることで愛着が湧いたと思います。 江戸型山車は江戸から明治時代にかけて東京の著名な神社の多くの祭礼に用いられましたが、関東地方一円に流出し、東京ではあまり見られなくなりました。しかし赤坂氷川神社様には9体の山車人形とそれらにまつわる山車の部品が現存しています。赤坂氷川山車保存会の皆さんによって2006年から少しずつ山車の復元が進められています。こうした動きに私たちも積極的に関わり、山車文化を盛り上げていきたいです。

プロジェクトに参加した社員の声

ここ数年かけて赤坂氷川神社様の江戸型山車復元を担当させていただきましたが、製造当時の意匠を知る職人さんがいないため、正しく復元することの難しさを痛感しました。今でこそ山車を見る機会は少ないのですが、もともと江戸の祭りは山車の祭りで華やかなものでした。最近では山車の祭りの良さが見直されていて、栃木や埼玉といった近郊の地域でも山車の復元に取り組もうとする動きがあります。江戸から続く技術を研究して、江戸時代の山車を再現できるようチャレンジしたいと思っています。

製造本部長 浅野浩章

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