日本の佳き伝統と共に歩んで参りました。
最良の材を求めることに始まり、自然の恵みに感謝して伝統の製法に拘る。
時を経るごとに想いの宿る太鼓作りが私達の理想です。
宮本の太鼓
齢を重ねた自然の恵みに礼をつくして、幹を刳りぬき、日陰に寝かせ、
鉋で仕上げ、革をはり、またとない「音」を引き出す。
宮本の太鼓は天と地と人の心をなにより大切につくられます。
胴
厳選された原木は、荒胴と呼ばれる形に整形され、最低で3〜5年間という長い年月をかけて自然乾燥させます。
削
鉋で仕上げられた宮本の胴は年齢の美しさと本質が最大限に引き出され、その証として鉋目を残します。
張
太鼓張りは「音」を作る真剣勝負。糠で加工された宮本の皮と、何代にも渡って培われた職人の経験と技でお客様ごとにたった一つの音を創り上げます。
縫
締太鼓や団扇太鼓は厳選された縫牛の皮を使い、宮本ならでは熟練の技術で縫い上げられます。
判
品質を保証するという意味の「太鼓判を押す」という表現は、太鼓に押された焼印に由来しています。太鼓と卯之助で「太卯」。それは宮本の品質へのこだわりの証です。
長胴太鼓について
和太鼓といえば、真っ先に思い浮かべられる長胴太鼓。
宮太鼓とも呼ばれ神社仏閣、祭礼をはじめ、歌舞伎、伝統芸能、盆踊りなどで使用されるだけでなく、他の太鼓(締太鼓,桶締太鼓など)と組み合わせてグループ演奏する組太鼓など、多くの和太鼓演奏に用いられています。
力強く芯のある響きと深い余韻。
美しい木目と曲線の生み出す、雄々しくもたおやかな佇まい。
この用と美の調和が宮本の描く長胴太鼓の理想です。
最上級の国産材胴を用い、鉋で手仕上げを施す。基本的に薬品を用いずに加工する事で、
皮本来の強さを保ち、打ち込むほどに深い余韻を生む。
天地の恵に感謝して、注ぎ込んだ手間と技が、宮本のお届けする価値だと私達は考えます。
長胴太鼓の特徴
胴の材質
宮本ではいずれも厳選した国産材のみを使用し、3~5年かけて充分に乾燥させたものを使用しています。
本欅材
長い時間をかけて成長した欅は緻密で堅く、木目も美しいため最も太鼓に適しています。
木目材
欅以外の木目の美しい材で、主に栓、栃、タモなどです。本欅材に比べ軟らかく、ふち打ちには適していません。
太鼓の皮と張り
宮本で使用する皮は、昔ながらの糠を使った天然加工で、手間暇をかけて製作をしています。天然加工の皮は薬品加工に比べて繊維質を傷つけず、膠(にかわ)成分が多く残るため、響きが丸く、余韻が出やすくなります。
また演奏した時のあたりが柔らかいため、手首への負担も少なくなります。皮の張り加減は郷土芸能や和太鼓演奏家の演奏方法、曲風や担当、また地域性によってもお好みが異なります。
高い音を求めるお客様には皮を強く張り、逆に低く余韻のある響きを求めるお客様には皮を緩く張ります。
宮本卯之助商店ではお客様のお好みや演奏方法をお伺いした上で皮を張り上げます。
※太鼓の皮は張った後しばらくは自然と緩くなりますので、はじめはご希望よりも高めに張られたほうが後でお望みの音になりやすいです。
皮の縁付き・縁切り
太鼓の皮のへりの部分を「縁(えん)」や「耳」と呼びますが、当店では「縁」と呼んでいます。
縁の部分を残して仕上げるのを縁付き、切り落として仕上げるのを縁切りと呼びます。お寺や神社さんの場合、また祭囃子の場合は縁切りが多く、和太鼓奏の場合は縁付きが一般的です。和太鼓演奏が盛んになる前は縁切りがほとんどだったようですが、締め直しができるため和太鼓演奏のお客様は縁付きが多くなりました。
太鼓台
長胴太鼓はとてもシンプルな楽器ですが、台を変える事によってとてもバラエティ豊かな演奏ができます。
宮本卯之助商店では最も一般的な平置台から、三宅太鼓、八丈太鼓などの郷土芸能用の台まで幅広い太鼓台をご用意しています。
台の木材は欅(けやき)材と目有(めあり)材があります欅製は木目が美しく、重さがあるため太鼓がより安定します。目有製は軽量で、お値段も欅材よりもお手軽です。
また、お好みで特注の太鼓台の製作も承っております。お気軽にご相談下さい。